赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

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貧すれば鈍する・・・か?

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これは夏の終わりに18きっぷ旅の中で上田電鉄別所温泉駅を訪れたときのヒトコマです。
 
これは上田電鉄の歴史を象徴するようなモハ5250型電車という車両ですが
この車両の保存の仕方についてみなさんはどのようにお感じになりますでしょうか?
 
わたしもイチ交通機関の運行管理者として生計を立てている身でありますが
タイトルの ” 貧すれば鈍する ” というのは
経営再建中の当社に現在の三代目社長が社長に就任したときに最初の訓示で垂れた言葉です。
平たくいうと、利益を上げられない企業はやらなくてはならないこともできなくなる。
そうならないために当社は現在の赤字体質を脱するよう
これから厳しい改革を断行しますよ、という訓示の言葉でした。
 
わたしが所属する東京都北区にあったかなり規模の大きなこの営業所は、この9月10日に閉鎖され
さらに大規模な本社営業所に吸収合併されてしまいました。 もちろん改革の一部分としてです。
おもえば前営業所は戦時統合時から存在した由緒正しき営業所でしたが
そんなことを言っていて経営再建中の会社がダメになったら元も子もない、その中での改革、統合です。
社長としても断腸の思いであったと察します。
 
約一ヶ月前に18旅で上田電鉄を訪れ静態保存中?のこの車両を目の前にしたときこの言葉を思い出しました。
 
この5250型電車は、上田電鉄の歴史的シンボルとして当初、終点の別所温泉駅で静態保存とされ
内部は展示館としてパーツなどが解説展示され、喫茶店が併設されていました。
がしかし。 現在では赤字のためか?あるいは訪れるひとが少ないためなのか?
茶店は閉鎖され、車両は展示館としての役目どころか、その象徴たる丸窓のガラスは割れ
倉庫のごとくガラクタが放り込まれ、引き込み線の草はぼうぼう、そのまま荒れるがままとなっています。
 
上田電鉄の歴史そのものたる5250型丸窓電車がこのありさま。
まこと ” 貧すれば鈍する ” とは恐ろしいことです。
キレイごとではなく、公共交通機関といえども利益を出す体質にならければ、と教えられた思いでした。
また、もっと勘ぐったことを無責任に言わせてもらえば、現在上田電鉄は存続の条件として
上田市からの援助の上に存在し、補助金が出ているが故、こういう部分にお金をかけるわけにはいかないことを
こうしてアピールしているのか? ここまで荒れ放題だとそんなふうにカンジたりするのもムリはないかとも・・・
 
とはいえ、決して上田電鉄ががんばっていないのかといえばそんなことはないようで
アニメ、サマーウォーズとのタイアップや別所温泉駅の和服女性の駅長の設定。
AKB48メンバーを立てた、ドラマ”鉄道むすめ”の製作協力、また、下の写真にあるような丸窓電車のレプリカ
” まるまどりーむ号”の運行など懸命にもがいている様子はカンジとれます。
 
がしかし。 その結果として企業たるもの、その使命として利益をださなければならない責任がある。
 
そんなことをひしひしと感じた夏の日の出来事でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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