赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

初号ハイニッカ復刻版比較テイスティング

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初号ブラックニッカ復刻版に続き、初号ハイニッカ復刻版も
現行品と、あと手持ちの90年代流通品も比較テイスティングしてみました。

まあ、いってみればハイニッカなんてむかしの2級、安酒。
こんなもんをマジメに比較してどうすんの?といわれるかもしれませんが
これもマッサンをキッカケにしてニッカさんが提供してくれた勉強の機会です。
実際こないだスコ文研であったテイスティング技術向上のためのテイスティング
では、テーマがグレーンウイスキーとカナディアンだったのですが
すこしまえに初号ブラックニッカの精密比較をしておいたおかげで
クラスで唯一、一品目に出たキャメロンブリッジのカフェ式シングルグレーンを
ブラインドテイスティングでグレーンだと当てることができました。
さて、新旧ハイニッカからも今後の肥やしになるものが見つかるでしょうか?

初号ハイニッカ復刻版
外観:濃いゴールドからコハク 輝きよくない 粘性よい
香り :立ちはよい グラスに注ぐと洋梨アプリコット系のさわやかなフルーティーが立つ
追いかけてピート由来の香りであるロースト香
奥からアンズ飴、砂糖醤油、いそべ餅
味わい:アタックでフルーティー、香りと同じような洋ナシ、アンズ、ロースト感
後味でほのかにある黒糖感はカフェグレーンのニュアンスか?
余韻:アルコール感、短め

ハイニッカ現行品
外観:コハク色 輝きはよくない、やや濁り? 粘性よい
香り:立ちはふつうからややよい クリアでフルーティー洋梨アプリコット系、ミント、ユーカリオイル
奥から柑橘・夏みかん ピート由来のニュアンスはみつからない
味わい:アタックはいきなり ? 薄い?、淡い? まん中まできてじわじわアルコールの刺激
ハナに抜いてよく熟したマンダリンオレンジ、味わい後半で黒糖のニュアンス、グレーンか
余韻:とても短い

ハイニッカ(たぶん)90年代流通品
外観:やや薄いゴールド 輝きややよい 粘性よい
香り:立ちはふつうからややよい トップノートで若い原酒のニュアンス、ニューポット
グリーンっぽい香り、若葉のニュアンス、ミント、黒糖
奥からたぶんピート由来?ほのかにロースト香 マンダリンオレンジ 金属っぽい香り
味わい:アタックでバランス感、甘酸渋の調和 すぐに追いかけて黒糖のニュアンス
ハナにぬいてスーっとする、ミント
余韻:短い、というかほぼない

ブレンデッドは開くのに時間のかかるモルト原酒に対し
グレーン原酒は短時間で香りが変化してしまうためテイスティングは速やかに。
そのため比較によくあるグラスを3つ並べるようなことはせず、
ひとつひとつ交代で利きました、だからグラスはひとつです。

新旧3本比較した結論は、まず共通するのはトップノートで
とてもさわやかなフルーティー、洋ナシ、アプリコットの香りを持ちますが
のんびりしていると前述したようにグレーンウイスキー原酒の開き方に
すぐ追い越されてしまうのか、すぐにカフェグレーンの特徴的ニュアンス、
黒糖とか、書きかたによってはカカオのニュアンスに支配されてしまいます。
ここいらあたりが級別表示時代には二級だった悲しさなのか、
モルトウイスキー原酒の割合の少なさを象徴しているのでしょうかね。
また、現行品だけがピート由来のロースト香的ニュアンスがみつからないのは
やはり低価格帯のブレンデッドのモルト原酒はブラックニッカと同様に
余市から宮城峡蒸留所のものにシフトしてきてるのかな?とも思います。

まあ、どちらにしてもこのクラスのウイスキーをストレートで飲むことは
そうそうあるものではないので、このあとハイボールや水割りにもして
なにが見えるか検証してみます。
なにせこのクラスのを3本抜栓してしまったのはたいへんですからね 笑
とくに竹鶴正孝爺が晩年毎日飲んだというハイニッカの水割りには
きっとなにかがあるような気がするので・・・