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テイスティング技術向上のためのテイスティング会                  スコッチ文化研究所 モルトとブレンデッドの相違点を理解する

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もう2週間前になりますがいつものようにスコッチ文化研究所の
ウイスキースクール西麻布で月イチ恒例で行われている
テイスティング技術向上のためのテイスティング会 ” に参加してきました。
今回のテーマはジョニーウォーカーを題材とした
モルトとブレンデッドの相違点を理解する ” でした。

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  講師の谷島氏



例によって事前のテーマ公表はナシ。
参加者は予習ができないためブラインド状態のモルトを当てるのは至難の業。
わたしのほかの方はみなプロのバーテンダーやインポーターですが
回を重ねるごとにほとんどテキストのウイスキーが何なのか
当てることはほとんどできなくなってきています。
が、それについては先入観ナシで純粋に利いてほしいという講師の狙いなので
それはかまわないということですがどうにも悔しいことでもあります。

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 今回テキストになったボトル




テーマもわからないまま、まず最初にテキストになったのは
ジョニーウォーカー ブラックラベル。
いつものように5分ほどの各自によるテイスティングのあと
クラスルームの何人かがその結果を発表、それから講師のテイスティングです。
香りはエステリーでりんご、オレンジの立ち、奥からピート、スパイス、クローブ
味わいとして樽のニュアンス、木の渋み、ピート、スパイシーなど
余韻短めなど順調に受講生の発表が続き、最後に講師からいつも
” これはモルトですか、ブレンデッドですか、なんだと思いますか? ”
という問いかけがあり、わたしを含めほとんどが
モルトでハイランド ” と答えてしまいましたが講師から全員に

” みなさんそれぞれ余韻は短いようでしたがほんとうにモルトですか? ”

と逆に質問されました。

ポイント① ブレンデッドはモルトに比較し極端に余韻が短い。
       これはグレーンウイスキーの特性によるものだそうです。

さらにもうひとつ講師から言われたのは、サンプルの配布から
ひととおりの発表が終了した時間の15分を確認して
もういちど目の前のウイスキーを確認してみて といわれてみると
香りも味わいからもあれほど強かったフルーツのニュアンスが消えています。

ポイント② ブレンデッドは時間の経過によりニュアンスが大きく変わる
        
2番目のサンプルはロイヤルロッホナガー12年。
香りは立ちでフルーティー、林檎、柑橘、奥から麦芽、ミント
味わいとしてフルーツ、樽の甘・酸・渋のよいバランス、余韻やや長め
と順調に発表。
ロイヤルロッホナガーはジョニーのキーモルトなので比較としての登場でした。

3番目はジョニーウォーカーの絶版になったグリーンラベル
このボトルに対しての発表の特徴は
香りで 甘い 柑橘 林檎 花 糖蜜 クローブ モルティ ピート
味わいで 甘 酸 渋 柑橘 ピート スパイス 
余韻は中程度
と、かなり多くのニュアンスが挙げられたことです。
グリーンラベルはバッティングモルト、現在でいうブレンデッドモルト
グレーンウイスキーを含まないモルト原酒の混合です。

ポイント③ バッティングモルトはニュアンスが乱立してカンジる
       これはまとめ役になっているグレーンウイスキーがいないため
       当然、時間による変化は少ない

ここでブレンデッド、シングルモルト、バッティングモルトが揃ったところで
3つのサンプルをハナで強く吸い込んでみるよう、講師から言われる

ポイント④ ブレンデッドとモルトでは強く吸い込んだ香りのトーンが違う
        モルトは比較的すっきりとしたトーン
        ブレンデッドはモルトに比べトーンが太くあまったるい印象がある

講師から提示されたモルトブレンデッドとの見分け方のポイントはここまで。
あとの二つは受講者には今回のテーマが見えてきたのでわかりやすく
4番目のゴールドラベルリザーブ(年数表記ナシ)
比較的若い原酒もあると思われ特有の金属っぽいニュアンスがわかり
今回の中で唯一ブラインドで当てることができました。
5番目のプラチナムラベルは18年ということもありかなりいいもので
香りは立ちでフルーティー、オレンジ、林檎、奥から麦芽、ピート、クリーム
味わいとしてアタックでローストっぽいピート、後半で甘・酸のバランス
余韻は中程度とブレンデッドとしては長いほうではありますが
グレーンのまったり感は強くわかりやすいハズでしたが
ここではブルーラベルを挙げてしまいハズしてしまいました。

また、もうひとつのポイントとしてこれは自分で思ったことなのですが
通常モルトでは樽のニュアンスとピートのニュアンスは両立しにくいものですが
ブレンデッドでは平気でわかりやすく並行して存在している。
これは比較的ピートのニュアンスの強いジョニーウォーカーだからこそ
わかったのかも知れませんが、これもブラインドテイスティング
ひとつの利き分けポイントになると思います。

このテイスティング会で講師の谷島さんは常々、
モルトとブレンデッドの見分け方はなかなか難しいよ!、とおしゃってましたが
今回は受講者全員、ここ半年くらいで習得したスキルを総動員したようになり
2時間経つころにはヘタヘタになってしまいましたね。
内容の濃いテイスティング会でした。

講師の谷島さん、受講者のみなさん、ありがとうございました。。
 



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