赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

日本のアイラモルト ホワイトオーク あかし

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シングルモルトの楽しみのひとつに蒸留所見学がある。

わたしはウイスキー愛好家一年生だから

まずは日本の全蒸留所見学をひとつの目標にしている。。

その過程でわりあい早い時期に訪れた蒸留所のひとつが

兵庫県明石市江井ヶ島にある日本で唯一、

全種類の酒を生産する蔵である江井ヶ島酒造である。

行ってみて、うおおっ、と思うのが蒸留所の海に近い立地。

瀬戸内海を望む埋立地の突端に位置しているのだ。

それはラフロイグボウモアが海に面して白い蔵を建てているのに等しい。

もっともここは日本式木造建築の日本酒蔵の様式ではあるが。。

ここまで書けば懸命な貴兄はその個性がアイラモルトのような

塩辛さ、ヨードの香り、ピーティーさを想像するのであろうが

それらはおおよそ当たっている。



ホワイトオーク シングルモルト あかし   テイスティングノート

香り 抜栓したては若いニューポットの甘い香り
    落ち着いてからは重厚な麦の香り、
    ブランドパーソナリティーであるシトラスの香り
    ピート由来によるスモーキーさは中庸  
    奥に潮の甘い香り

味  アタックはバーボン樽由来の豊かな樽香
       後半は海沿いの潮風を呼吸したことに由来する強烈な潮辛さ
   シティリアレモンのほろ苦さ

余韻 意外なほどにあっさり途切れる。ハナに濃く甘い柑橘が抜ける。


この蒸留所の特徴は見学担当の河合さんの有能さである。

スコッチにはブルイックラディのジム氏を筆頭とするブランドアンバサダーが

そのモルトのイメージを牽引しているという背景があるが

日本のマイクロディスティラリーの頼もしさという部分は

イチローモルトの肥土社長、マルスの竹平所長、そして河合氏は

しっかり蒸留所の個性を把握してアピールできている点にあると思う。

その中でも河合氏は日本最古の蒸留所の歴史をしっかり把握した上で

キチンと説明できるという点でいえば日本一であろう。
(蒸留所免許の交付は山崎蒸留所より先である)


和食に合うシングルモルトはなにかといえば

焼き魚や寿司のようなシンプルなシーフードの和食に合うシングルモルト

潮辛いアイラ島モルトのようなものだと思う。

そういった意味では日本で唯一の海っぺりにあるこの蒸留所は貴重だ。

2~3日前に信濃屋さんが江井ヶ島酒造さんと

コラボのオリジナルボトルをリリースしたばかりだが

こういった背景を理解した上

しっかりとしたテイスティングノートを主張しているあたり

やはり仕掛け人の北梶氏はさすがだな、と思う次第。。