赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

乗りテツ写真はしっかり絞り込んで! ~日経新聞・土門拳氏のエピソード

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わたしの所属する営業所では日経新聞を取っています。
 
ここにもときどき書きますがわりと鉄道に対してキチンと書かれた記事が多くふふーんと思うことも多いのですが
さらにいいなぁ、とおもうのが写真をキチンと読める記者が多いことでもあります。
表題に掲出した記事は写真家の土門拳氏の写真が画家のレオナール・フジタの独特な技法を解明するのに
決定的な証拠になったというエピソードなのですが、なぜそういう写真が撮れていたのか?
それには昨年の夏の18旅できらきらうえつに乗って見に行った酒田市土門拳記念館で見た写真の解説に
思い当たるフシがありました。
 
※ まずは表題の写真を拡大して見てみてください。PCで見ている場合、写真右下にマウスを合わせると 
  虫メガネマークが表示され、クリックすると写真が拡大します。蛇足ですがYahooブログの場合、拡大すると
  極端に写真のクオリティーが上がるので、常に拡大してご覧になることをお勧めします。
 
土門氏は2度、脳溢血に倒れて半身不随になってからは専ら車椅子上から弟子に指示しながら
4×5の大型カメラで静物を撮るスタイルが主だったのですが、そうなる直前には愛器の35mmライカを持ち
作家や画家、芸能人などのモノクローム・ポートレイトを主体に撮影している時期がありました。
わたしがいちばん好きな作品群はこのシリーズであります。
この作品群の特徴としては土門氏はモチーフたる相手の作業場まで赴き、その人物の人生までを写しこむべく
何枚も、何十枚も徹底的に納得するまで撮影し、その際の方針としてすべて写し込むのだから
徹底的に深く (絞りを) 絞り込んで撮影したといいます。
 
この記事のエピソードはそうした被写体だけではなく、背景までも執念を持って写し込んだ副産物といえますね。
実際、ある作家のシワの細かいところまで写し込むべく、絞りに絞り、手ブレをまったく感じないショットを
確信するまで何時間も何十枚も取り続け、これでOKと思った瞬間に作家はアタマにきて座っていた藤椅子を
土門氏に投げつけたというエピソードもあるくらいですから・・・
 
このエピソードにはテツ旅を記録、発信するわたしにも思わされることがありました。
わたしの写真は乗り(呑み)テツ写真ですから、線路外に三脚を据えるような撮り方ではなく
車両を撮るときは駅の構内での撮影がほとんどです。
そのときには当然、駅構内のいろんな施設、看板、駅員、または景色などが写り込んでしまいます。
そういったものも何年かのちには記録として価値をもつ場合がこと鉄道写真には多々あるようです。
しかし、そういったものたちも、なにげなくファインダーに入っているだけでは
のちのち必要になったときにもなんなのかハッキリわからないかもしれない。
がしかし、しっかり記録しようという意図があるのならば、しっかり絞り込んで、なにが写ってるのか?
ちゃんとわかるように記録するように努めよう。
意図を持ってシッカリ記録するのだからそれにはシッカリ絞り込まなければいけない。
まあ、駅構内は暗いことも多いので、まあ、なかかかそうもいかないこともけっこうあるんですけどねぇ。 
 
ま、それでもこれからはできるだけ 笑
 
土門氏のこの記事のエピソードを見て、そんなふうにカンジた当直の日の多忙な夕方のひとときでした。
 
 
あと、姉妹ブログである秋アキ師匠のブログでも過去にはこんなふうに教えていただいています。
< 酒と鉄道の日々 2010年1月30日記事  http://blogs.yahoo.co.jp/sun75777/32104427.html
 
 
 
 
 < あまり写真に詳しくないかたに >
絞り というのはレンズからどのくらい光を取り込んで撮影するか?という調整機構です。
今日ではほとんどのコンパクトデジカメはオートでコンピューターがそれを決定していますが
ほとんどの一眼レフは撮影者が表現の方法として自由に設定するこもできます。
 
深く絞り込むと・・・ F値を大きい数字にすると広い範囲にピントが合ってるように見え細かいディテールまで
             詳細に写真にしっかりと写ります。 その反面、シャッタースピードが遅くなり
             手ブレの危険性が上がります。
あまり絞らないと・・・F値を小さい数字にするとピントは合わせた場所のあたりだけに合っているように見え
             背景がボケて被写体が際立って写ります。(背景がボケてる花の写真はこの技法が多い)
             シャッタースピードも速くなり、手ブレは起きにくくなります。