赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

モルトのお稽古に行っています                            テイスティング技術向上のためのテイスティング会  スコッチ文化研究所    マッカランの熟成樽の個性を理解する


 ここのところブログにテイスティングノートを書いたりしてることもあり
 スコッチ文化研究所内に置かれているウイスキースクール西麻布で
 ” テイスティング技術向上のためのテイスティング会 ” に参加しています。

第36回 マッカランの熟成樽の個性を理解する (3/29)

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 上 講師の谷嶋氏






     


      右 今回のテーマとなった
          マッカラン1824シリーズ.




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 左  配られたサンプルについて
    完全ブラインド状態で
    まずは各自で、次にクラスルーム全体 
    最後に谷嶋氏がテイスティングを発表
    専用のテイスティングノートに
    記入しながら進行する



去年まではあらかじめテイスティング会のテーマを公開して
各自予習の上での参加が原則だったのですが
今年からはテーマ非公開で先入観ナシの状態でのテイスティング
受講生にはそれなりにプレッシャーがかかります。

なんといってもこの国のモルトシーンの中心はマッカラン
ウイスキーワールド2014APRIL巻頭特集にもなっていますが
エイジングを表記しない1824シリーズを理解しておこうという企画でした。
まず最初に既存のファインオーク12年とシェリーオーク12年の
テイスティングを確認、その後アンバー、シエナ、ルビー、あとカスクストレングス。
各自のテイスティングを発表したあとに講師 谷嶋氏の解説が入り
内容的にはそれぞれのボトルはなにとなにの樽を使っているので
その結果、個性はこう出ている、という進め方で進行しました。
いままでのマッカラン12年、18年、25年などはヨーロピアンオークの
1stフィルシェリカスクのみを贅沢に使用していましたが
1824ではヨーロピアンオークに加え、アメリカンオークのシェリー樽も
それぞれ1stフィル、2ndフィルそれぞれを組み合わせています。
原酒不足に加え、それだけシェリー樽の確保も難しくなっているのですね。
アンバーはアメリカン、ヨーロピアンオークそれぞれの
1st、2ndフィルシェリー樽を使用。
結果アメリカンオークシェリー樽らしいウッディさ、ロースト感、シナモン
すっきりした酸味、柑橘のニュアンスという個性。
シエナアメリカン、ヨーロピアンそれぞれの1stフィルシェリー樽のみ使用。
結果、甘みが強め、より樽のニュアンスが色濃く樽の渋みまでを強調、
よりドライフルーツ感が強まった個性。
ルビーでは従来のヨーロピアンオーク1stフィルシェリー樽のみを使用。
シエナよりもさらに樽のニュアンスは強くなり樽の苦味までが出てきますが
同時に柑橘やメントールっぽい爽やかさも加わり
日本人はシェリカスクモルトのサルファリー感はまったくダメなのに
マッカランだけは広く受け入れられてきたのはスパニッシュオークシェリー樽の
このニュアンスのせいなのが再確認できるボトルです。 (ただし2万円しますが)

それを考えるともともと原酒不足からエイジング表記を廃止するために
1824シリーズをリリースしたというのに
実売5000円前後で買える従来のマッカラン12年が存命することになったのは
モルト愛好家にとってはすごく朗報といえるのでしょうね。
なるほど、実際テイスティングしてみるとアンバーやシエナはもちろんのこと
ルビーに至ってもそこかしこにニューポットのニュアンスが現れていて
ああ、7~8年といった若い原酒が含まれているのだな、と思うフシがあります。
そうなるとマッカラン12年はどれだけお買い得なのか、
また、今後もいままのままの風味でいられるのか、考えさせられるものです。

あと、カスクストレングス。
参考、ということで付け加えられたのですが、
強烈な樽のニュアンスがイヤじゃなければ実売9千円というのはお買い得かもです。
参加者からも 美味い! という声がかなり上がっていました。
実売でシエナと同程度の価格となると今後は競合することになるかもですね。


第37回に続く・・・