先月購入して、なかなか楽しませてくれた
ぜんぶ飲みきってしまう前にテイスティングノートを残しておきます。
CHIBIDARUとは昔ヨーロッパにあった
馬の背に2つ振り分けて輸送できるよう小さめに造られた
クォーターカスクと呼ばれる樽をモチーフとして、
使用済みのバーボン樽の両端を短くカットし
新材の鏡板をはめることで作った小さい樽だからちびダル。
樽材と原酒が触れ合う表面積を大きく取れることから
短期間で熟成が進み、かつ樽のニュアンスを強く受ける原酒になるということです。
テイスティングノート
香り 立ち香は強い、強い木香、ソニーボンド、松ヤニの香り
味わい フルボディ、強烈に主張してくる。
アタックは木の渋みを伴って甘い
あきらかにバーボン樽由来の風味がハナに抜ける
後半は樽のニュアンスが勝る
余韻 甘さから徐々にスパイシーに変わり
暖かく長くフェードアウトしていく
国産のプレミアムボトルながら実売価格8000円前後なので
ぜひボトル1本つきあってほしいモルト。
53.5%という強いカスクストレングスだけに変化の度合いを楽しめます。
開栓したては水あめのように濃厚な甘さが支配。
肩までくるとカブトムシの水槽に放置したスイカのニュアンス。
そしてラベルの下半分あたりまできてようやくこのモルトの狙いである
樽材の木香が楽しめる樽のニュアンスが前面に出てきます。
バーなどである程度減っているCHIBIDARUを見たら試してみるとわかります。
しかしながら感心するのはおそらく3年程度の若いエイジングなはずなのに
一切のニューポット香を感じないことです。
昨今は世界的な原酒不足の中で歴史あるスコッチ蔵でさえ
ノンエイジ商品にはニューポットの香りが残るものが多いのにです。
自分的な解釈では世界最小クラスの蒸留器を使っていることと
そのラインアームは下向きに設計されていることで造られる
秩父蒸留所の特徴となっている重厚な原酒がその原因だと思うのですが
どんなところでしょうか?
そんなことも含めて見学に行ったらいろいろ質問してみたい蔵ですね。