赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

3週連続で休日おでかけパス! ①              サントリー 白州蒸留所へ行ってきました

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JR東日本の商品に ” 休日おでかけパス ” というのがあります。

わたし自身たいへんよく使うおトクな切符でして
東京近郊のだいたい片道2500円くらいの区間が乗り放題。
18券が使えない時期、関東のテツには強い見方です。
この6月はなんとなく、この切符を使いたいことが多く
どうやら3週続けてコイツでおでかけすることになりそうな。。

まず、とっかかり6月1日土曜日。
前回の記事でもすこし書きましたが、
よくある生活習慣病のため、食事療法を始めたのを期に
ウイスキーシングルモルトを趣味にすることにしたので
まずは東京からいちばん近い蒸留所である
小淵沢の ” サントリー白州蒸留所 ” へ見学に行ってきました!

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鉄道ファンなら中央本線に乗る目的のひとつは昭和の車両115系に乗ること。
高尾駅から先に行けばまだまだ普通にボックスシート昭和の汽車旅ができる。 幸せなことよ・・・


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小淵沢駅から白州蒸留所までは無料のシャトルバスで向かう。
降車場にある受付棟の先にはもうこんなに美しい森が広がります。
” 森の蒸留所 ” と呼ばれる所以ですね。


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最初に入る建物はそのカタチから麦芽乾燥棟を想像するが
じつは世界でも珍しいウイスキー博物館。
ここが集合場所で玄関前から各コースに分かれて見学に行きます。
蒸留所見学のコースは原則おひとりさま1日1コースのみ。
この日選択したコースは午後の ” シングルモルト楽しみかた講座 ” 。
1日ひとつしか予約できないのですがそれでは時間がもったいないので
この日は午前中に予約なしの飛び込みで
一般的な無料の工場見学ガイドコースを申し込みました。

と、集合場所に行くと受け付けのおねえさんの ” 強いおすすめ ” で
” THE HAKUSHU ” という有料のコースに変更することに。
前半が工場見学、後半はシングルモルト白州の楽しみ方のセミナー。
たくさん試飲できて、おみやげも付くということです!


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よく整備された敷地内。
林保護区内ということで樹木と調和しています。
奥に見える建物が原料となるモルトの貯蔵庫。


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見学コース ” THE HAKUSHU ” で


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最初に訪れるのは


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蒸留所内にある ” バードサンクチュアリ  野鳥の聖域 ” という森。
ウイスキー白州は木の樽を通して、この森の空気をいっぱいに呼吸しているのと
また、白州を仕込むアルプスの天然水は
蒸留所の背後に聳える甲斐駒ケ岳を構成している
この花崗岩で濾過されているということを体験するためということです。
野鳥のさえずりがいっぱい。 中を歩くとたくさんの野鳥に逢えました。
1周20分以上あるので運動療法にもなります(笑)


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つぎはガイド氏に続き、森の中を通っていよいよ蒸留所へ


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いちばん最初は仕込み過程。
白州蒸留所では原料となる二条大麦を発芽・乾燥させた状態で輸入するので
ここで細かく砕いて温水とともにこの仕込み槽に入れることから始めます。
ゆっくり時間をかけて澄んだ麦汁、わかりやすくいうと麦ジュースになる。
ここで加えられる蒸留所内で産出される” 南アルプスの天然水 ” が
白州の風味の大きな要素になっています。


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作られた麦汁は酵母を加えられて醗酵槽へ。
通常ウイスキーの醗酵過程ではステンレスやホーローの容器が主流ですが
ここ白州蒸留所では敢えて管理の難しい木桶を使うことで
森の蒸留所内に住み着く独特の乳酸菌が加わり
白州の個性的な風味を生み出すのに一役買っているということです。


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3日目の状態。ぶくぶく醗酵しています。


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醗酵槽でアルコールになったもろみは
つぎにもっともウイスキー工場らしい風景である蒸留に向かいます。
これらはポットスティル(単式蒸留器)と呼ばれ
その形状により重厚になったりさわやかになったりと
蒸留するウイスキーのキャラクター決めの要素になるということです。
いろんなカタチの蒸留器があるということは様々な原酒ができるわけですね。
また、ここでは直火炊きにこだわっているのも特徴とのことです。


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そして広大な蒸留所内を電気バスに乗って向かったのは貯蔵庫。
蒸留を終わったウイスキーは最も熟成に適したアルコール度数に調整され
長い長い眠りを経て私たちの飲むウイスキーになります。
木の樽に入ったウイスキーたちは温度の高い季節には膨張し
寒い季節には空気をたくさん吸い込みながら収縮します。
森の空気を吸い込んで呼吸をするわけです。何年も何年も・・・


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貯蔵に使う樽にっよってウイスキーは性格が変わります。
左からアメリカでバーボンに使われた中古樽、” バーレル ”
  熟成が早く上品な樽香が豊か。
バーレルを解体、側板を使い、やや大容量に組み直した ” ホックスヘッド ”
 バーレルとにた性格だが穏やかな樽香を持つ。
ずんぐりとした形状の ” パンチョン ”  しっかりとした樽香がつく。
そしてシェリー樽、スペインでシェリー酒を造った空き樽の再利用。
深い色合いと華やかな風味をウイスキーに与える。


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このあと、” THE HAKUSHU ” コースはセミナーハウスに向かい
スクリーン上のチーフブレンダー、福與伸二氏の解説と共に
新白州、白州12年、白州18年のテイスティングを行います。


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こんなにいっぱい飲ませてくれるんですよ!
しかも1本20000円の18年まであります!!
いやぁ・・・ 堪能しました。。


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そしてこれが、説明の途中で提供される ” 究極の水割り! ”
白州蒸留所のウイスキーをその仕込み水と、
その仕込み水で作った氷で割った水割りです!
白州というウイスキーは非常に線の細い繊細な味わいなのですが
この飲み方だと味わいの線は細くて繊細でもとてもシンの強い味わいです。
後味にあの、” 森の空気 ” を感じ取れます。

これだけの内容で1000円とは。。。 参加してほんとうによかった!


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午後のコースまではウイスキー博物館の展示を見てすごしました。


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午後の有料コース(1500円) ” シングルモルト楽しみ方講座 ” は
THE HAKUSHU 前半部分の工場見学のあとに
シングルモルトウイスキーの風味解説とともに・・・


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なんと、ブラインドテイスティングを行う!
この中には私は飲んだことのないシングルモルトも含まれていた。
点数ですか? 一部間違えました。。 
でも、感覚を研ぎ澄まして含みの味わいや香りについて考える経験
とてもよい勉強になりましたよ。


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こういったカネにはならない文化活動に莫大な投資をしている
サントリーという企業に対し、今回大きな敬意を抱きます。
日本という国にウイスキー文化を持ち込み
その普及に努め、シングルモルトという新たなステージに対して
その飲み方を紹介し、また自社製品だけに留まらず
本場スコットランドの大小ブランドのディストリビューターまで勤める姿勢
今回の見学でまったくもって素晴らしいと感じました。。

このセミナーではウイスキー白州を使って作る正しいハイボールの作り方、
その名も ” 森香るハイボールを実習でつくります。
正しく作るとほんとうにおいしい。。あの森の空気の香りを思い出します。
それを正確に再現するにはたいへんよく工夫をされた
この蒸留所でしか売っていないこのグラスが必要なんだなぁ。。。
ひとつ1470円もするので現地では二の足を踏みましたが
幸運にもネットオークションで4個1500円で入手できました!

白州蒸留所にいってみたいと思う方。

じつはこの切符より青春18きっぷで行かれることをおすすめします。
休日おでかけパスだと範囲ぎりぎりの大月から小淵沢までは
片道の差額が1450円もかかりますのでね。
逆にいうと18券の余りコマがあったら、ぜひ白州に行ってみてください。
見学コースの内容、なかなか濃いですよ!

























































































































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ここも蒸留所の中・・・