えーっ 前回はJR東日本パスの距離を稼げるメリットを最大に使う旅として
青森に向かったわけなのですが、こんかいは表題のような呑みテツらしい旅です。
前回は最新鋭のE5はやぶさを使いましたので朝はゆっくり8時台の出発でしたが
リゾート鳥海に乗って秋田へ向かいとって返してというルートとなったため
いまとなってはさほど速くはないE3つばさで発進するため、まだ朝もや残る
早朝6:12に東京駅を出発しました。朝イチのつばさは併結されていないため
短い10両編成でスタートです。 (ホームでは3両 !? という間違い放送が流れ・・・)
おなじE3でもこまちには
乗ったことがありましたが
つばさは今回初乗車。
同一車両といっても
こちらのほうがウッド柄が
張ってあったりシート色も
明るく、よりカスタマティック
な印象を受けます。
約3時間40分ほどで
終点の新庄駅に到着。
コンパクトですが
集約された感のある
地平ホームがいい雰囲気。
まもなく乗り換える陸羽西線
のキハ110が入線してきます。
横に見える車庫は木造ですが
なんと後ろ半分は糸魚川駅の
大糸線ホームにあった
旧赤レンガ車庫のような
立派なレンガの建物!
やばっ 写真撮り損ねた・・・
テツとしてまだまだ知らない
ことがたくさんありますね。
陸羽西線を走る車両は
小海線とかと同じキハ110。
4人用ボックスシートの横に
2人用向合わせシートのある
ひとり旅にはとてもうれしい
レイアウトの車両です。
節電中の薄暗い地平ホーム
と外の眩しいくらいの日差し
の対比が面白く撮れました。
陸羽西線といえば
” 奥の細道ライン ” と
いわれるくらいで、かつては
松尾芭蕉がそのほとりを
旅したという最上川の景色を
楽しみながら走れるのが魅力
そして、途中から楽しめるのは鳥海山のすばらしい麗姿です。
一般的には日本海側からの景色を表鳥海、こちらは裏鳥海というようです。
それにしてもグリーンのたわわな田んぼと抜けるようにクリアで蒼い空と鳥海山。
ローカル線の旅ってホントにステキだと思います。
とはいえ、陸羽西線は
約1時間ほどのショートトリップ。
あっというまに終着駅かつ
羽越本線との連絡駅である
酒田駅0番線ホームに到着
酒田では次の乗り換えまで約1時間20分ほどあったので
やや時間的にムリはあったものの私の写真の家元である写真家 土門拳氏の
写真が収蔵されている土門拳記念館にタクシーを飛ばしました。
この時期の展示は昨年のおなじ時期にも見た ” 古寺巡礼 ” が第一展示。
やや小さい第二展示が ” ヒロシマ ” 。
いまとなってはそんなに大きなインパクトは感じないものの
おそらく撮影された1957年当時はたいへんな衝撃があったのだと思います。
また、その取材を依頼したのが週刊新潮という一般誌だったのも
当時としてはすごいことだったのではないか? そんなふうにカンジながら見ました。
展示の最初にある土門拳氏の開きの言葉
グラフ取材という仕事の一つとして向かったのだが
行ってみて、驚き、これはいけない、と狼狽した。
『「ヒロシマ」を忘れていたというより、
実ははじめから何も知ってはいなかったのだ。』
というのは心の言葉だったんだな、とも思います。
そして同時に、ホントにこれだけだったのか?もっと見たけれど発表できなかった
作品があったのではないか、あるいは見せてもらえなかったこともあったのでは?
という疑問が沸々と・・・
小さいけれどこの展示、なにか因縁めいたものをカンジて複雑な気分になりました。
そして果たして、私たちも福島をちゃんと知っているのか、知らされているのかとも。
何年かあとに、また別の写真家によって衝撃の事実が出てきたりしませんように。
がしかし、また、それがなければこの東日本パスのこの旅もなかったわけで・・・
ことしもまもなく終戦記念日がやってきます、合掌。