今月末にキリンのチーフブレンダー、田中城太氏のご好意で
キリン富士御殿場蒸留所へのセミナーつきの見学を主催することになりました。
現実としてキリンのウイスキーはこの富士山麓がメインであり
富士山麓を理解することが富士御殿場蒸留所を理解することになると思います。
そんなわけでこの 50% というちょっと特殊なブレンデッドを
まずはストレートで利いてみることにしました。
このウイスキーの性格としてストレートは想定外なのかもしれませんが
基本性格を知るためにはまずはテイスティングしてみることです。。
テイスティングノート
外観 色
濃いゴールドか薄めの琥珀 輝き△ あまりクリアーではない
香り
立ちはふつう~よい 溶剤 穀物系の甘い香り
奥からエステリー 黄色い花のニュアンス 花粉
軽くスワリングしてココア 生チョコレート
味わい
アタックで樽のニュアンス 心地よい木の渋み
樽のプロフィール由来の甘み
広げてみて穀物系の甘さ バニラウェハース
後半柑橘の皮 瀬戸内のレモン
ハナに抜いてフローラル
余韻
ブレンデッドとしては長く留まる マイルドな樽のニュアンス
この ” テイスティングノート ” というものが自分内で飛躍しすぎたりして
蒸留所さんに迷惑をかけたりしないよう、アップする前に
必ず他のテイスティングと比較してから世に出すようにしていますが
スーパーにも置いているような一般的なウイスキーのノートが皆無なのに
わたしはまず驚きました。
誤解を恐れずに敢えて申し上げるなら、小樽熟成、50度のブレンデッド、
一部アメリカンスタイルを取り入れたグレーンウイスキーという
他に例のないブレンデッドの評価に尻込みしてるのかな?と思います。
まず意外だったのはその外観。 ” クリーン&エステリー ” という
キリンのウイスキーに対する観念に縛られてるせいなのか、
あまり手放しにクリアーには見えなく、輝きも少ないのには驚きました。
もともとウイスキーというものは純粋なスピリッツを
” 樽 ” というあまりキレイではないものに晒すことで
木の表面にある ” 不純物 ” という贈り物からフレーバーをもらうもの。
その真価はやっぱりオンザロックスにしたとき発揮されるのかな?
とも思ったりいたしました。