赤い酔星 通常の3倍酔っ払いながらのウイスキー&テツ旅ルポ

鉄道旅とウイスキーあっての楽しく豊かな人生であります。。

キリン シングルグレーンウイスキー 富士

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自分にとって興味深い1本が届きました

 

・外観・色

濃いゴールド
輝き◎ 透明感◎

・香り

立ちはよい
しっかりと語りかけてくる印象
生木のウッディな香り おがくず ハチミツ
よく熟した紅い果実、生のプラムや紅い林檎
奥から溶剤 シンナー

・味わい

アタックはファンタスティック!
樽由来のバニラを伴う甘み、心地よい樽渋、樽苦が
高次元でバランスしている印象
ゆっくり舌の上に広げてよく熟したフルーツ
後半はシングルグレーンらしいケミカルなフルーティ ハナに抜いてバーボン樽をイメージするバニリックな香り
飲み進むと黄色い柑橘も顔を出す

 

・余韻

グレーンウイスキーとしてはけっこう長いが
あるところでとつぜん途切れる
そこまで上顎で甘さと樽をカンジる甘さを引きづる
白いスパイス

 

私の主宰した富士御殿場蒸留所の見学会で
メンバーが田中マスターブレンダーにした質問、、

” キリンといえばグレーンなのに

 知多が出たのをどう思いますか? ”

の城太さんのこたえが

” シマッタ! 、やられた!! ”  (笑)

でしたからいつかこういう商品は出ると思ってました。

富士御殿場蒸留所の特徴として
マルチカラム、ケトル、ダブラーという
3通りの連続式蒸留機を使い分けるというのがありますが
近年WWAを獲ったシングルグレーン・スモールバッチ25年は
ケトルによるミディアムグレーンが主体とアナウンスされ
実際そうカンジていました。
この富士もそういわれてますが、実際には、とくに飲み進むと
ダブラーによるヘビーグレーン、いわゆるバーボンっぽさを
案外と強くカンジます。飲み応えアリですね!
ここいらあたりは現実的な飲み方のスタイルであろう
オンザロックスを強く意識した設計なのかなぁと察します。

加水では数滴でおがくずの香りが強調され
チョコレートやあまいモカっぽさが顔を出す。


田中氏が推奨するスタイル
ぜひワイングラスでも試してみましたが
生木っぽさがスポイルされ代わりに若いオレンジが。
いったんそういう印象を持ってしまうと
味わいも不思議とそういうふうにカンジられてしまい
テイスティンググラスのときより好印象、、??
初心者には苦手だなぁと思われるような生木のニュアンスを
グラスの底に置いてきているとでもいうのでしょうか?
そういう観点でいえば ” 大ぶりなワイングラス ” というのも
にわかに説得力がでてきます。
グラスって不思議だなぁと思いました!

 

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もうひとつ、城太さんの推奨する飲み方、
小さな氷ひとつ入れて・・・ をしてみると
味わい全体がキュッと引き締まった印象、、
心地よい酸味とチョコレートが前に出てきて
フレッシュなオランジェットみたいですね。

こんな具合に飲み方で様々な顔を見せる
” シングルグレーン ”(単一蒸溜所のグレーンのみで構成された)
という日本では案外あたらしいジャンルのウイスキー

実勢価格6千円というカテゴリーのなかで
城太さん、やりたいことができましたね!という感想でした。。